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でっかい独り言、内緒話に戯言三昧

でっかい独り言、内緒話に戯言三昧

泥だらけの体育着

 お嬢の体育着が泥だらけ。ついでにパンツまで。でも靴下はいつもの泥よごれ程度。何をしたのか聞いてみると「総合学習の時間に泥遊びしたの!」うん、確かに足の爪まで泥だらけだ。「Zくんが靴も靴下も脱いだから、真似しちゃったぁ(^o^)」…この時の私の感情をどうあらわしたらいいだろう。うーん(ー"ー)うーーーーん、一番近いので「よっしゃぁぁぁぁぁ」かな。
 お嬢はよごれるのが嫌いな子であった。人からは「お母さんが服を汚すと怒るんでしょ」と当然のように言われるが、遊んでいる最中に服がよごれたからといって、叱ったことはない。遊んでいてよごれるのは当然だし、そんなもの、洗えばいいのだ。
 忘れもしない、あれは4才になる直前の夏休み。だんなの実家の方で夏祭りがあり、休田地で泥バレーなるものをしていた。見ているうちに、しゅぅぅぅぅぅと小さくなり、顔色が悪くなったので、その場を離れたのだが、かなり離れてからようやく一言「ああいうのいや」そういえば、幼稚園でも筆を使った絵の具の絵は好きだけど、手を使う時は眉間にしわがよっていたっけ。この時初めて「この人、よごれるの嫌いなんだわ」と愕然としたのだ。
 それからはよごれても「うわーー、楽しそう(^o^)」と声をかけ、「洗えばいいんだもん、大丈夫だよ」と言い続けたけれど、ましにはなるものの「よごれるのいや」と言い続けていた。小学校にはいり、毎日遊ぶなかで、どんどんよごれてきた。どちらかといえば、私はにやにやしてみていたのだ。さすがに、手を洗った後に、服で拭くのは叱った。ハンカチをちゃんと持っているのだし、「おいおい、トイレのあとの手をスカートでふくなよ」だし(^^;) しかも手がちゃんと洗えてないから、スカートに手形ついているし…これは電車にのって帰ってくるんだから、勘弁して欲しい。ま、この私鉄沿線、何校かある私学の中で一番汚いと言うのは、昔から有名な話なので、駅員さん等は笑って見てくれているが…
 そして今日の体育着はダルメシアンの様に、泥で点々と模様をつけて帰ってきたのだ。一晩洗剤につけ、ごしごしと洗うのは大変だったけど、「よごれるのがいや」と言っていた人が、泥の中に裸足で入れるようになったかと思うと、やはりうれしいのだ。子供の時にしかできないことはたくさんある。泥だらけで遊ぶなんて、その典型だろう。

 同じ幼稚園から上がったお母さん達が、学校で見かけるお嬢を「飛んで跳ねて走って叫んでる」と驚いている。いい意味で子供らしくなったなぁと、最大の褒め言葉として聞いている。それが米つきバッタのように、謝る日々の導火線だったとしても、今はうれしい。腕には半そでのシャツの、足首には靴下の跡がくっきりつくほど日焼けしている。休み時間に外に飛び出しているのがよくわかる。この私の感想をZくんのお母さんは笑って聞いてくれた。Zくんは3兄弟の末っ子だ。真ん中のお兄ちゃんは木の枝をくれたお兄ちゃんだ。一人っ子ゆえに厳しくあたる私を心配し、妙に大人しいお嬢を常に心配してくれている。お嬢に「服はハハが洗ってくれるから大丈夫よ」と言い続けてくれていたのも彼女だ。「ハハが服が汚いって怒ったら、私がハハを怒ってあげるから大丈夫よ」とも。心置きなく泥遊びができたことだけでも、あの学校に行かせてよかったなぁ思う、単純な私。一人っ子だもの、いくらでも手洗いしてあげるよお嬢、それが一人っ子の特権さ。


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